袴の帯の種類と柄

袴に使う帯とは

 男性の場合は袴を着ない場合も着る場合も角帯という帯を使いますが、女性の場合は使う帯が異なります。一般的な帯は幅が30cmほどあり、この半分の15cm幅に仕立てられた帯を半幅帯といいます。浴衣を着る時、夏の着物の時、カジュアルな装いの時などに半幅帯を使うことがあります。袴を着る時も帯を着けて結んでから袴を着るため、かさ張らないようにこの半幅帯を使います。袴を着る時に使う帯を特に袴帯と呼ぶことがあります。上から袴を着けるため大部分が隠れることになりますが、半襟や帯揚げと同じように少ない面積でも色や柄で全体の印象が変わって見えることもあり、どんな帯を選ぶのかは袴姿のセンスの見せ所といえます。

無地の帯

 無地の帯の魅力は何といってもそのシンプルさにあります。柄が付いていないので色身さえ合えばどの着物にも合わせやすく、相性が良いのが特徴です。また、帯が無地なので着物の柄が引き立ちやすくなるといった効果も得られます。帯締めなどの小物で遊ぶにしても無地の帯は合わせやすく重宝します。シンプルゆえに引き締まった印象も与えてくれるので、使いやすい無地の帯は持っておいて損はありません。柄が無いということそれだけで帯自体の色が映えます。無地であるからゆえに帯の色には拘りたいですね。柄が無くても帯自体の色が美しければ着物に負けないくらいの存在感を与えてくれます。年齢を問わずに使えるのも無地の帯の魅力なので、長きに渡って活躍してくれることでしょう。

柄付の帯

 袴スタイル時の帯は着物と袴の間から少しだけ覗かせることで、着物と袴との組み合わせの繋ぎの役割を担い、全体のバランスのアクセントとなります。帯の色や柄入りか無地を選ぶかによって、同じ着物と袴でもコーディネートの印象がだいぶ違うものとなります。大人しいシンプルな柄の着物に柄入りの帯を合わせれば、帯がポイントとなって全体の印象が引き締まります。古典的な柄の着物には同じく古典柄の帯を合わせれば、全体のバランスがまとまります。袴と同系色の帯を合わせても、帯を柄入りにすることで大人っぽくお洒落に仕上がります。着物や袴の色と違う差し色を帯に持っていきたい時でも、織りでさりげなく入っている柄帯を合わせれば、無地の帯よりも優しい雰囲気となります。着物と帯が柄on柄でも、袴スタイルでは良いアクセントとなるところが魅力です。お店の方の意見を聞きながら色々合わせて、全体のバランスを見ながらコーディネートしましょう。

リバーシブルな帯

 袴の下で使う帯である袴下帯(半幅帯)は、袴をはいた時には実際には袴に隠れてしまって1~2cmほどしか見えません。しかし、そのわずか1~2cm見える帯の部分はちょうど体の中央の胸下の位置にくるので、上手におしゃれのポイントとして利用したいところです。また、袴下帯はレンタルなどで付属してくる袴専用の帯の場合であれば通常の半幅帯より幅が小さく、長さも短かかったりするものがありますが、自分で新規に購入するのであれば、袴だけでなく浴衣などでも着回しできるタイプの一般的な半幅帯(幅が15~17cm、長さが3.5m以上)を選ぶと便利です。複数の着物での着回しを考える場合、やっぱり帯も着物の色味に合わせたいと思うものでしょう。そんなときに威力を発揮するのがリバーシブルの帯です。今ではラメが入ったものや表が柄入りで裏が無地のもの、真ん中から上下で色が異なって仕上げてあるためリバーシブルで使うと4色使いが出来るものなど、工夫されたものがたくさん販売されています。せっかく帯を購入するのなら、卒業式のたった1回だけの着用ではもったいないですよね。半幅帯は浴衣などで夏に使うイメージが強いですが、リバーシブルで使われる袋帯の半幅帯は普段着の着物使いでも使えます。帯の素材や色を使い回しが効くように上手に選んで、いろんな着物を楽しんでみるのもいいです。