黒留袖のレンタル相場を徹底検証【試着も可能で便利】

留袖を着る機会は、着物を日常的に着ている人でも少ないものです。しかし、母親として結婚式に出席、仲人を務めるなどという場合には、どうしても黒留袖でなくてはならない場合があります。だからといって、購入するには高価すぎる黒留袖。自分で持っていない場合はどうすればよいのでしょう。そんな時こそ、着物レンタルが便利で安心です。

黒留袖の種類が豊富なレンタル店舗なら、デザイナーズブランドも手頃な価格で着用することができます。

今回は、結婚式や特別な式典で着用するための、黒留袖のレンタルについてみてみましょう。

黒留袖とは既婚女性が結婚式で着る第一礼服

黒留袖とは、既婚女性が結婚式で着用する第一礼装です。主に親族が着用する場合が多く、特に、新郎新婦の母親、仲人の着用が一般的となっています。

留袖は、黒留袖の他に色留袖があります。こちらは黒留袖よりも若干汎用性が広く、結婚式の他、訪問着の代わりに式典などにも着用可能です。結婚式でも、母親や仲人以外の親族、既婚者の訪問着の代わりとして着ることができます。留袖は訪問着とは違い、裾に柄が入ります。紋は五箇所に入る五ツ所紋で、抜き紋・石持などの格が高いものです。

黒留袖は結婚式に着用することが多いため、柄も吉祥柄などおめでたいものが多く使われて居ます。松竹梅や鳳凰、宝尽くしは季節を問わず着用することができるためおすすめです。

黒留袖のレンタルがおすすめな人

黒留袖は、主に結婚式の母親または仲人が着用するものなので、一般に一生のうちでそうそう着る機会が訪れるわけではありません。さらに、黒留袖は第一礼装であり質の良い表地を用いることが多く、その上に比翼をつけ紋を入れるなどがあるため、小紋の着物に比べてかなり高価です。

黒留袖を購入する場合は、着物だけでも 30万円以上、帯や小物を揃えると最低でも 50万円以上となってしまいます。一生のうちで1回か2回着用するだけでこれだけの高価なものを揃えようとすると、やはり躊躇するところでしょう。

そんな人にこそ、黒留袖のレンタルがおすすめです。レンタルであれば、購入するよりもかなり安く着用することができ、保管を気にすることもありません。試着をすることもできるので、自分の体に合った黒留袖を選ぶことができます。さらに、レンタルであれば結婚式や式典の格に合わせて都度違う留袖を選ぶことが可能です。結婚式なら鳳凰や松竹梅の鳳凰柄、パーティーや式典であれば華紋やモダンな蝶柄というようにすることで、写真映えもします。

また、店舗によっては作家もの、デザイナーズブランドなど、購入したら 100万円は軽く超えるような高価な黒留袖を取り揃えているところもあります。華やかさや格調、家柄などを考慮するときでも、ブランドの黒留袖であれば臆せずに式に臨むことができるでしょう。

黒留袖のレンタル相場 料金を比較

黒留袖をレンタルすると決めても、次に気になるのは料金です。黒留袖を着用する場合、着物だけを借りるだけではありません。帯や小物はもちろん、着付けやヘアセットが必要となります。

黒留袖は自分で着物を着ることができる人でも自装が難しい着物です。したがって、レンタルする際には着付けのサービスや着付け師や美容院の併設、または紹介の有無を確認しておくと安心でしょう。

貸衣装屋でレンタルする場合

黒留袖をレンタルするときに一番先に思いつくのが貸衣装屋でしょう。貸衣装屋での黒留袖レンタル料は、 30,000円~ 60,000円が相場となっています。

料金の違いは、質や流行柄、華やかさなどあり、作家物、デザイナーズブランドだとさらに高額になります。貸衣装屋は、レンタルに小物や帯が一式が含まれている場合が多く、着付けを依頼できるところもあります。試着することも可能なので、アドバイザーと一緒にぴったり合うものを選ぶことができるでしょう。黒留袖は、自装が難しく、また結婚式などのように着崩れをできるだけ避けたい場合には、やはりプロの着付け師に着付けを頼んだ方が無難です。

さらに、結婚式の場合は結婚式用の帯揚げ帯締めのほか、末広という祝儀扇が必要となります。これらの小物を揃えようとすると、着物をレンタルするのと同程度の金額がかかってしまいます。小物・着付けがセットになっているのかを確認することが重要です。

ホテルや結婚式場でレンタルする場合

ホテルや会場でレンタルする場合は、そのホテルや会場にもよりますが、 50,000円~ 100,000円が相場となっています。

ホテルや結婚式場でのレンタルは、小物や着付けがセットになっていることがほとんどで、下着と足袋さえ持っていけば揃えることが可能です。会場の中で着付けてもらえるので遅れてやきもきすることもなく、着崩れたときにもすぐに直してもらえます。安心できるため、結婚式の場合や初めて留袖を着用する場合は、会場でレンタルすることが多いようです。

しかし、会場によっては留袖の種類が少なく、多くの人が着用しているため思い通りの留袖を着ることができなかったという人も少なからずいるようです。事前にどのような留袖があるのかを確認しておき、場合によっては他のところでレンタルし、会場で着付けてもらうことも考えておくと良いでしょう。

親戚や知人からお借りする場合

少し前の世代では、黒留袖は嫁入り道具の一つでした。しかし、洋装が当たり前になった現在、黒留袖を持っている人の方が少ないでしょう。

母親や親戚、知人からお借りする場合は、クリーニングのことも考えて1万円以上のお礼を包んでおくのが礼儀です。また、借りる際には実際に羽織ってみて、背丈や裄丈があっているかの確認もしておく必要があります。また、家柄によっては大変に高価な留袖の場合があります。このような留袖を万が一汚してしまった場合は、レンタルする料金よりもクリーニング代の方が高くついてしまいます。修復が難しいとなれば、取り返しがつきません。

着物に慣れていない場合は、店舗や会場のレンタルの方が気軽かもしれません。

ネットでレンタルする場合

最近ではネットで黒留袖をレンタルできるショップがあります。近所に貸衣装屋がない、結婚式場に好きな留袖がないなどの場合でも、ネットであれば店舗に出向かずにいろいろなショップを見て比較することができるため便利です。

ネットでの黒留袖のレンタルは、 10,000円~ 50,000円が相場となっています。帯や小物がセットになっていることが多く、長襦袢がセットになっているコースもあります。

一式を式場まで直送してくれるサービスがある場合は、当日は手ぶらで式場に行くだけです。ヘアセットや着付けだけを式場に手配しておくとさらに安心でしょう。

黒留袖を着る立場でおさえておきたいポイント

第一礼装の黒留袖は、洋装にはない和装ならではのマナーや約束ごとがあります。黒留袖を着て行く場所は、礼装が必要な式典や結婚式のため、間違えないようにしたいものです。特に、結婚式は新郎新婦にとっては一生に一度のことであり、新郎新婦の母親というと注目される立場です。ふさわしい黒留袖で出席するためにおさえるべきポイントをみてみましょう。

新郎新婦の母親として黒留袖を着る場合

結婚式で母親として黒留袖を着るのであれば、家柄や地方のしきたりを考え、間違いのないものを選びましょう。無難なのは吉祥柄です。鳳凰、松竹梅、宝尽くしの他、大名行列なども縁起が良く好まれます。

新郎の母親は、新婦よりも目立たず、しかし存在感のあるものを選びたいものです。金駒刺繍が施されていたり、金彩があるものは見た目に華やかで、新郎の母親にふさわしいでしょう。

反対に、新婦の母親は新郎の母親よりも目立たないものがバランスが取れて好ましいと感じられるでしょう。帯は金が目立つものよりも白っぽい銀糸が多く入ったものだと控えめで、且つ華やかです。柄は、花嫁よりも目立つことのないものを選びます。

選び方のコツは、写真映えを意識することです。写真撮影の際、新郎新婦の親は最前列に座り、柄が写真に写ることになります。柄や色が綺麗だからという理由で細かい柄を選ぶと、近くで見ると華やかだと思ったのに、写真でみるとぼんやりしてしまったということが多いようです。写真で見たときも綺麗にはっきり見えるような柄を選ぶことで、良い記念写真となるでしょう。

新郎新婦の親戚や既婚姉妹として黒留袖を着る場合

新郎新婦の親戚や姉妹の場合、最近では黒留袖よりは色留袖を着用することが多いようです。しかし、地方や家柄によっては親族は黒留袖を着用する場合もあり、親族にふさわしい黒留袖を選ぶことが必要です。

親族の場合は、新郎新婦の母親よりも控えめな柄を選びましょう。大きな鳳凰などの存在感のあるものよりは、扇や松などの方が品がよく見えます。

妹など若い既婚者の場合は、モダンな華紋柄でも良く、結婚式に彩りを添えるでしょう。この場合も、花嫁より目立たないように気をつける必要があります。

まとめ

結婚式は、子供にとっても親にとっても初めてなもの。そこで黒留袖など滅多に着ない着物を着用となると、どうしたらよいか困ってしまう人も多いのではないでしょうか。

レンタルであれば、着物と小物を一式で用意することができ、新郎新婦の横に立っていても遜色ない黒留袖を着ることが可能です。新郎新婦の親は目立つもの。堂々とできる黒留袖を着用して参列したいですね。

結婚式は一生の思い出として残ります。親としてふさわしい黒留袖で、最高の晴れの日を過ごしてください。