お宮参りは赤ちゃんが生まれて初めて経験する神事です。大切な行事に参加する際、男性はどのような服装で臨めばよいのか分からないという方も多いでしょう。この記事では、男性がお宮参りに参加する際の服装について、和装・洋装双方の着こなしのマナーについてご紹介します。お宮参り当日にマナー違反の服装で参加して後悔することのないよう、事前にきちんと把握しておきましょう。
現在はスーツでお宮参りに参加するのが普通になっている
お宮参りは、本来生まれてきた赤ちゃんの長寿・幸福・健康を祈って行われる行事です。主役である赤ちゃんをメインに、参加者の服装もおのずと決まってきます。例えば赤ちゃんに晴れ着を着せる場合、その両親の服装は和装を合わせるとバランスが良くなります。赤ちゃんにベビードレスを着せる場合は、両親も洋装で参拝のがよいでしょう。
前述の通りで言えば男性の服装は赤ちゃんの服装によって決まりますが、赤ちゃんが晴れ着を掛けていくとしても、男性が必ずしも和装でなければならないわけではありません。近年はむしろ、女性と赤ちゃんは和装でも男性はスーツというケースが増えているのです。
和装に関する慣わしをどの程度厳密に踏襲するかは地域色が濃いため、慣わしを重んじる傾向のある地方の場合には、事前にお参りする予定の神社を下見されてはいかがでしょうか?下見には多くのメリットがあり、その場に合う服装のほか近隣駐車場の有無や混み具合、赤ちゃんが快適に順番を待てるスペースや記念撮影に良さそうなスポットなど、さまざまな情報を得ることができます。
スーツで参加するなら黒色が無難
もしも男性がお宮参りにスーツで参加するならば、黒色の略礼服(フォーマルスーツ)が無難です。本来御祈祷を受ける際には、すべての参加者が正装していなければいけません。そして洋装のスーツの場合、最もふさわしいのがフォーマルスーツです。
近年では、ビジネススーツで参加している男性も見かけますが、見る人が見れば、黒のビジネススーツと、黒のフォーマルスーツでは、生地の光沢や質感などでその違いが分かるものです。おしゃれや着やすさを優先してビジネススーツで参加する場合は、黒系、グレー系、ネイビー系といった落ち着きある色の、柄のないスーツを選ぶようにしましょう。
お宮参りにスーツを着ていくときの注意点
お宮参りに男性がスーツを着ていく場合、合わせる小物にも注意すべき点がいくつかあります。赤ちゃんが正装しているのですから、父親として恥ずかしくない身だしなみで参拝しましょう。
ネクタイの色に気をつける
身につけるネクタイの色で、服装の持つ意味合いが 180度変わることがあります。そして、お宮参りの際に避けたいネクタイの色は「黒」です。黒のネクタイは弔事の際に用いられる色なので、「生」を祝う儀式であるお宮参りに身につけてはいけません。
男性がフォーマルスーツでお宮参りに参加する場合は、白かシルバーのネクタイがふさわしいでしょう。柄が付いていても構いませんが、主張しないタイプの小さなドット柄や、地の色と同系色のストライプ、あるいは小紋柄を選ぶことをおすすめします。ビジネススーツの場合は、上記に加えてパステル系のブルーやイエロー系の色で少し華やかさを演出しても構いません。
靴磨きも忘れずに!
せっかくスーツやネクタイをきちんと整えていても、足元がおろそかでは台無しです。外での記念撮影など、気を抜いていると知らぬ間に汚れた靴が一生の記念に写りこんでしまうことも。普段靴を履いていく場合は、特にお宮参りの前日によく磨きましょう。普段は履かない礼服用の靴を履いていく場合は、久しぶりの着用で埃をかぶっていないか、前回履いた際の汚れが残っていないかチェックしておきましょう。うっかり黒い靴の靴磨きを切らしてしまっていても、余裕をもって準備していれば慌てずにすみます。
ワイシャツは白の無地にしよう
お宮参りに参加する場合、ワイシャツは白の無地を着用しましょう。フォーマルスーツ、ビジネススーツ問わず、原則白の無地のワイシャツを着用します。襟の形は、レギュラーカラーか、あるいはワイドカラーを選びましょう。お宮参りにふさわしくないのは、カジュアルな印象の強いボタンダウンカラーや、ショートポイントカラーです。
また、白のシャツを着る際には、インナーにも注意が必要です。白の無地のシャツの下からインナーシャツが透けて、襟元から透けて見えることがあります。ベージュ系の Uネックか、 Vネックのインナーを選ぶことで、隙のない正装を演出することができます。
お宮参りの男性の服装は和装ももちろんOK!
お宮参りは室町時代から行われているため、当時から伝わる男性の正装といえば和装です。以前は着物、羽織、袴の着こなしが一般的でしたが、現代では袴を着用する人は少なくなっています。羽織は紋付きなら一つ紋あるいは三つ紋のものを選び、着物は紬などカジュアル感のない生地の黒、グレー、紺などのダークカラーの無地を合わせます。成人式や結婚式によく見る黒羽二重の五つ紋は冠婚葬祭にお召しになる着物ですが、赤ちゃんが主役のお宮参りでは同格になるのを避けて着用しません。
また、男性が和装する場合、赤ちゃんと女性も和装で合わせましょう。男性のみが洋装で、赤ちゃんと女性が和装という組み合わせは現在では一般的ですが、男性のみが和装で、赤ちゃんと女性が洋装という組み合わせはあまり見かけないので、全体のバランスも考えて服装を選びましょう。
まとめ
お宮参りの服装は、赤ちゃんの服装にマッチしていることが大前提となります。そのため和装でも洋装でも、赤ちゃんとまったくマッチしていなければ意味がありません。当日の主役はあくまでも赤ちゃんであることを忘れずに、服装を選ぶようにしましょう