赤ちゃんが生まれ、お宮参りをしなければ……と考えているものの、みんながやっているように必ず祈祷してもらわなくてはいけないのかどうか、そもそもどうして祈祷してもらわなくてはいけないのかがよく分からず、悩んでいる人も多いでしょう。
そこでこの記事では、そもそも祈祷とはなにか、祈祷してもらう理由、祈祷なしでもよいかどうかについてご紹介します。
お宮参りをする意味
お宮参り(初宮参り)は、赤ちゃんの長寿・健康を祈るためにある、日本特有の通過儀礼です。通過儀礼とは、人間が次のライフステージに上がることを記念した礼式をさします。衛生面が今ほど整っておらず、医療も発展途上中だった日本国内では、赤ちゃんの死亡率が低かった時代がありました。
そのようななか、生まれてきた赤ちゃんが 1日、 1年でも長生きできるようにと願って、神社にて祈祷を受け、神様からのご加護をいただくことを目的として誕生したのがお宮参りです。お宮参りをする意味、それは、両親や祖父母が赤ちゃんのすこやかな成長を神様に祈り、神様からのご加護をいただくことといえるでしょう。
「祈祷」とはなにか
祈祷とは、広い意味でいえば、神秘的な力をもつ超自然的なものに対し、期待するなにかを得られるように祈ることです。「神秘的な力をもつ超自然的なもの」は、海外ではキリストであったり、アッラーであったりしますが、日本国内では神や仏をあらわす場合が多いでしょう。
特にお宮参りは神道の行事ですから、仏のいるお寺ではなく、神社の神様に限定されます。「お宮参りの祈祷」という、狭い意味でいえば、神社の神様に対して神職が祝詞(のりと=神様からご加護をいただくための言葉)をあげて神様に祈ることをさします。
祈祷をしてもらう理由
お宮参りで祈祷をしてもらう理由は、先にご紹介した通り、神様からご加護をいただき、赤ちゃんの長寿と健康を祈るためです。最近では祈祷してもらう神社は、有名神社や自宅から近い神社を選ぶ人が増えていますが、昔は産土神(うぶすながみ)という特定の神様がいる神社に限定されていました。
産土神は、赤ちゃんが生まれた土地を守る神様(母親が妊娠中に滞在していた土地をさすなど諸説あり)です。お宮参りはその産土神に「この土地に新しく命が誕生しました。どうぞよろしくお願いします」と報告するために、祈祷していただくという理由があるのです。
祈祷なしでもお宮参りはできる!
お宮参りの本来の意味を考えると、神社で祈祷してもらうことが望ましいものです。しかし、生後 1~ 3か月の赤ちゃんを比較的長時間外出させることに抵抗を感じる人もいれば、母子の身体的な負担などの事情があって困難な人もいるでしょう。このような場合、祈祷までしてもらわず、神社で参拝をして済ませるという方法もあります。
参拝時にお賽銭を投げて、赤ちゃんが誕生したことを神様に報告し、すこやかな成長を神様に祈ればよいでしょう。また、母子の体調不良や天候などの事情で、お宮参りで祈祷してもらうことが難しかった場合や、お宮参りのタイミングを逃した場合には、写真撮影だけでも構いません。
生後間もない赤ちゃんは、日に日に目まぐるしく成長していくものです。今しかない可愛らしい姿を写真に残しておくだけでも、よい記念になるでしょう。
祈祷をしてもらう場合は予約しよう
お宮参りとして神社で祈祷してもらうためには、よほど近しい付き合いをしている神社でない限り、事前に予約が必要です。神社側も、お宮参り以外に、合格祈願、安全祈願、安産祈願など、さまざまな目的で祈祷を依頼されています。
大きな神社ほど、 3か月先のスケジュールまで埋まっている傾向にあります。赤ちゃんが無事に生まれたら、神社に電話等で連絡をしましょう。その際には、目的(お宮参り)、希望日時、祈祷を受ける赤ちゃんのフルネーム、赤ちゃんの生年月日と性別を伝えましょう。
祈祷をしてもらう場合の料金
お宮参りに限らず、神社で祈祷してもらう場合には、初穂料(祈祷料)が必要です。金額は、大きな神社であれば金額があらかじめ決められている場合が多くなっています。地元の氏神様の場合、料金は「お気持ちで」と言われることが多いため、「お気持ちって、いくら包めばいいの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
このように、もしも金額設定がされていない場合は、 5,000円包んでおけば問題ありません。祈祷料は地域や神社によって異なりますが、基本的に、 5,000円であることが多いからです。 10,000円の祈祷料を設定している神社では、お守りやお食い初め用の食器一式などが「おさがり」としていただけるため、その代金も含まれていると考えましょう。
まとめ
お宮参りは、神社の神様に神職からの祝詞をとおして、赤ちゃんのすこやかな成長を祈るための行事です。しかし、現代では必ずしも祈祷まできっちりと行わなければならない、というわけではありません。
母子の体調を優先して、お宮参りの祈祷を省略して参拝だけで済ませたり、写真撮影だけで済ませたりするという方法もあります。赤ちゃんの成長を願う気持ちがあれば、カタチにはそれほどこだわらなくてもよいという時代の流れになりつつあるのです。
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