産着のクリーニングってできるの?料金と概要のご紹介

 産着は大切に着れば、七五三、兄弟・姉妹、孫の代まで長く・幅広く使用することができるものです。

この記事では、産着はクリーニング可能か、自宅で洗ってもよいのか、またクリーニングに出すとしたらどれくらいの料金がかかるのか、クリーニングに出す際の注意点も併せてご紹介します。

産着はクリーニングできるの?

赤ちゃんの健やかな成長・長寿・健康を願って行われるお宮参りでは、産着(晴れ着・初着)を購入し、神社への参拝、写真撮影などを行う家庭が多くなっています。しかし、せっかく購入した産着でも、生後間もない赤ちゃんが着用すると、いくらよだれかけを掛けていても多少の汚れは着いてしまうものです。

そこで気になるのが、産着がクリーニングできるかどうかではないでしょうか。昔から着物は丁寧に丸洗いされて保管されてきたものですから、もちろん現代の技術をもってクリーニングすることは可能です。

クリーニングの値段は?

では、産着をクリーニングに出すと、どれくらいの料金がかかるものなのでしょうか。大型フランチャイズのクリーニング店と、個人経営のクリーニング店では多少値段は異なりますが、多くの場合において産着単体であれば 5,000~ 6,000円でクリーニングしてもらうことができます。

普通のスーツやシャツなどとケタが違うと驚かれる方もいらっしゃいますが、産着自体が生地の面積も広く、デリケートな素材ですから、どうしても丸洗いに加えて手作業でのブラッシング(汚れ落とし)が必要になります。。

また、産着の下に白羽二重などの内着を着用させる場合もあります。この白羽二重もまた、シルクでできていることから、産着と同様に少しだけお値段が高くなります。店舗によっては内着と産着のセットで割安になるセット価格が用意されているところもあり、 2点で 8,000~ 10,000円の料金でクリーニングしてくれるところもあります。

クリーニングってどこでできるの?

普通のクリーニング屋でもできるのか?

お店の内外に「きものクリーニング」という表記や料金が表示してあれば、そのお店で産着をクリーニングしてもらうことは可能です。

しかし、上記のような表記も料金も提示されていなければ、「丸洗い」で対応はしてくれるかもしれませんが、

十分なケアは期待できず、むしろ産着が傷んで返ってくる可能性もあります。

このようなことのないよう、着物クリーニングの専門店に依頼することをおすすめします。

自宅でもできるの?

「丸洗い」という表記を見て、「自宅の洗濯機に入れば丸洗いしてもよいのでは……」と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、クリーニング店で行われている丸洗いは、自宅の洗濯機とは全く異なる規模の業務用洗濯機で対応しているケースがほとんどですし、基本的にはドライクリーニングで行われます。

自宅の洗濯機に入ったとしても、十分に汚れを落とすこともできない可能性もあり、着物自体も傷んでしまいますから、自宅でのクリーニングはおすすめしません。

汚れがひどい場合でも大丈夫?

産着のなかでも特に襟元には汚れが付きやすく、赤ちゃんのよだれや、母親の口紅、ミルクの汚れなどが付着します。特にミルクや母乳は油分を含んでいる分汚れが落ちにくく、口紅なども色が残るため、「こんなにひどい汚れは落ちないのでは……」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一見ひどい汚れが付着しているように見えても、プロのクリーニング屋であれば、襟元は特に手作業で細かなブラッシングを行い、見事に汚れを落としてくれます。

むしろ下手に自分で汚れを落とすと、そのせいでクリーニング屋でも落としきれなくなることもあるため、汚れがついたらまずはクリーニング店に相談することをおすすめします。

クリーニングする際の注意点

産着をクリーニングに出す場合、料金面やクリーニングに出すタイミングなどについて、注意しておいた方がよい点がいくつかあります。以下の注意点を把握した上で、賢くクリーニング屋利用しましょう。

繁忙期にクリーニングに出すと仕上がりが遅れる

クリーニング店の繁忙期は、衣替えのタイミングと同時に春先、初秋頃にやってきます。

このような繁忙期に産着をクリーニングに出すと、通常なら 1週間程度で仕上がるところ、倍の 2週間~ 1ヶ月程度、仕上がりが遅れることもあります。

着用前にクリーニングに出す場合は、仕上がりが遅れないよう、あらかじめ早めに出すように心がけましょう。

レンタルの場合はクリーニング不要の場合が多い

産着を購入ではなくレンタルで済ませた場合、レンタル商品ではクリーニングと貸出料金がセットになっているケースが増えているため、クリーニングに出す必要がない場合があります。

クリーニングに出す前に、レンタルの際の注意事項、契約内容を見直し、使用後のクリーニング要・不要を確認するようにしましょう。

上乗せ料金がないか確認する

産着のクリーニングは、着物専用の料金となるため、あらかじめ上記でご紹介したように 5,000~ 6,000円がかかります。

しかし、店舗によっては汚れがひどかった場合、料金を上乗せして別料金で部分クリーニングを施し、その分を後から請求されることもあります。

本来であれば事前に全て提示する明朗会計のお店を選びたいところですが、慣れない着物クリーニングで失敗しないよう、上乗せ料金がかかる可能性があるかどうか、事前にお店に問い合わせておくとよいでしょう。

次回使用するために気をつけるべきポイント

クリーニングのタイミングを考えよう

産着が兄・姉などのお下がりで、しばらくの期間をおいて着用する場合、産着を着用する前にクリーニングに出しましょう。保管状況が悪いと、空気に触れて変色している可能性があるためです。

また、新品の産着を着用する場合は、着用した直後にクリーニングに出すとよいでしょう。上記でご紹介してきたように、襟元などは特に汚れやすく、放置すると汚れが濃く定着してしまう恐れがあるからです。

保管方法

産着が弟・妹だけではなく、孫・曾孫と長く着られるように、「たとう紙」と呼ばれる着物保管用の紙に包んで、湿気の少ない冷暗所で保管しましょう。

また、防虫剤(着物用)を入れると、長期間保管しておいても虫にも食われる心配がありませんのでおすすめです。

まとめ

産着は大切に着れば子どもの代だけではなく、孫の代まで引き継いでいけるものです。大切な産着をきれいに保つために、使用後は自宅で洗濯せずに、着物専門のクリーニング店に出しましょう。

丸洗いに加えて、細かな汚れまで手作業を交えながら丁寧に仕上げてもらうことができます。また、クリーニング後はたとう紙に包み、湿気の少ない場所に保管しましょう。数年後、あるいは数十年後にまたきれいな状態で産着を使用することができます。
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