ジュニア着物、袴で小学校の卒業式に出席するときの注意点!

袴で小学校の卒業式に出席するときの注意点は?

一度きりの小学校の卒業式、記憶と写真に残る袴姿を幸せな思い出にしたいですね。 そのためには、当日を楽しく安心して過ごせることと、綺麗な着姿を1日中保つことの2つが大切です。 どのようなことに注意すると良いのか、確認してみましょう。

袴で卒業式に出席する時の5つの注意点

袴姿での卒業式は嬉しい反面、着慣れていないことから不安になったり、戸惑ったりすることも多いものです。 せっかくの袴姿のために、卒業式当日を明るい気持ちで過ごせなくなっては本末転倒ですね。 当日を楽しく安心して過ごすための注意点には、主にこのようなものがあります。

着付けは時間に余裕をもって行う

和装は、着付けに時間がかかるのはもちろん、着付けた後の行動にも時間がかかります。 着付けを美容室でお願いするなら、この時間には確実に終わるようにという時間をお店に伝えれば、ちょうど良い予約時間を教えてもらえるはずです。

ご家庭で着付ける場合は、前日までに一度、同じ着物と道具で着付けをしてみて、時間と着付けのポイントを確認しましょう。 特に、襟合わせの角度、袴の裾の長さなどの加減を確認しておくと、当日の着付けがスムーズに美しく決まります。 そして、着付けた後の動きにも、普段より時間がかかることを見込んで予定を立てておきましょう。

特に歩く速さは、大人でも和装になると洋装と比べて半分程度になると言われています。 お子さんの場合は移動時間には普段の2.5倍程度の時間を予定しておいた方安心です。

袴の履物を事前に考えておく

事前にきちんと考えて準備しておきたいのが、履物選び。 履き慣れない履物で普段と異なるスケジュールを過ごすことは不安に繋がりますし、小学校の卒業式の場合は上履きへの履き替えがあることも多く、 そこで戸惑うことも多いようです。

草履は、脱いだり履いたりは楽ですが、履き慣れないと歩きにくく、また、足袋で上履きを履くのが難しいという難点があります。 ブーツは、履き慣れているものがあれば歩きやすく、また、袴を少し短めに着付けるため動きやすいのは安心な点です。 一方、ファスナータイプのものなど、袴での着脱に少し手間取ります。

最近では、スニーカーを含め普段から履き慣れた靴を履いたり、草履に足袋ではなく足袋型のソックスを履いたりといった工夫をされる方も増えているようです。 袴と近い色や濃い色の靴を合わせたり、遠目には足袋に見える白い足袋型のソックスを選んだりすることで、見た目と安心を両立させることができますので、 場合によってはこのような方法も考えてみてはいかがでしょうか。

袴を着る時に役立つ持ち物を準備する

食事で着物を汚さないための大判のハンカチ、トイレや手を洗うときに袖と袖を留めておく洗濯ばさみは、是非持っておきたいものです。 また、履物が慣れないものなら絆創膏、草履やブーツを他の人と間違えないための目印にするクリップ、 草履の場合は足袋が汚れた場合の替えの足袋などもあると良いでしょう。

和装の寒さ対策を考える

和装は、首元、脇から腕、下半身に空気が通る構造になっているため、この3カ所の防寒対策が必要です。 首元は、後ろの衣紋(えもん)の部分を覆うマフラーがあれば安心です。 普段使っているもので充分ですが、和装との見た目の相性を考えるとぐるぐると長いものよりはすっきりとしたものの方が着物が引き立ちますし、 扱いやすいのではないでしょうか。

脇から腕は、思いの外冷たい空気が入るので、袖のある防寒下着が必須ですが、着物の袖は腕を動かすと中がすぐ見えてしまうので、 7分くらいまでの長さが安心です。

なお、防寒下着は、首元が詰まっていると衣紋から見えてしまうことがある点にもご注意ください。 下半身は、レギンスや、ブーツや靴であればタイツを履いていると温かいですが、トイレのことを考えると不安もあるかと思います。 気候、体調、そして脱いだり履いたりをできそうか、お子さんご本人と一緒に考えて決めると良いでしょう。 なお、レギンスなどを履く場合、股上が深すぎるとトイレで自分で下ろせないということも起こりうるので、着付けの後で必ず確認してあげてください。

袴のトイレの仕方を確認する

袴というと、多くの方がまず心配するのが、トイレをどうするかということ。 しかし、女袴のほとんどは行灯袴(あんどんばかま)と呼ばれる、左右の仕切りのないロングスカート状のものです。 ですから、袴の裾と着物の袖さえ気を付ければ、さほど心配することはありません。

袖は、トイレに入る前に左右の袖を身体の後ろで洗濯ばさみで留めておき、袴は、裾を持ち上げ身体を一周ぐるりと持ち上がっていることを確認すれば、大丈夫です。 着付けた後に家で一度(実際にトイレに行かなくても)練習すると、安心できるでしょう。

綺麗な着姿を1日中保つために押さえておきたいポイント

その日1日を幸せに過ごすためにも、きっと沢山撮影する写真のことを考えても、綺麗な着姿を1日保つことはとても大切ですね。 そのための注意点は、髪型と立ち居振る舞いにあります。

髪型はどうするの?

どのような髪型でどのような飾りをつけるか、前もって決めておくことと思いますが、髪型は好み以上に崩れにくさを考えて決めた方が良いでしょう。 1日過ごしているうちにどうしても髪型は崩れますし、髪型の乱れは着付けの乱れ以上に写真で目立つものです。 カールをつけたダウンスタイルやふわふわのアップよりは、女学生のような三つ編みやすっきりしたアップの方が、 崩れにくく1日の最後まで綺麗でいられるでしょう。

着物を崩さない立ち居振る舞いとは?

着物らしい美しい立ち居振る舞いで過ごすことは、着崩れを防ぐことはもちろん、節目の日にきちんとした態度で臨むことにも繋がります。 あらかじめ、着物での立ち居振る舞いを簡単に練習しておくと良いでしょう。 歩くときは、洋服のときの半分くらいの歩幅を目安に。

腕は、肩より高くは上げず、遠くのものをとるときは腕だけを伸ばすのではなく身体から近づいて。 階段の上り下りでは、高い段差がある方の袴の裾を両手で持ち上げて。 つまり、上りでは前側、下りでは後ろ側を、袴の左右から腰くらいの高さで両手を入れて持ち上げます。

もしも時間や関心があれば、昭和のドラマや映画で着物姿の女優さんの立ち居振る舞いを一緒に見てみると、 お子さんが和装や日本の昔ながらの立ち居振る舞いに関心を持ち、自分もそのように振る舞いたいと思うかも知れません。

最後に

こうして一つ一つ見ていくと、袴で卒業式に出席するときの注意点にそんなに難しいものはないと思えるのではないでしょうか。 時間の段取りや持ち物の事前準備、履物や髪型を決めること、当日の立ち居振る舞いなど、小学校を卒業する年齢の女の子であれば、 「袴姿で卒業式に出るのだ」という気持ちから、自分なりに判断したり気を付けたりできることも多いものです。 節目の日のための勉強や準備の時間も大切にして、当日が素晴らしい1日となりますように。