浴衣を選ぶ際、浴衣の柄の意味を考えたことはありますか。
浴衣は、「可愛さ」や「流行り」で選ぶことが多いと思いますが、伝統的な柄からモダンな柄まで、浴衣の柄には様々な想いが込められています。今回は、柄の意味を解説していきますので、今年は普段とは違った目線で浴衣選びをしてみてはいかがでしょうか。
浴衣に込められた柄の意味
金魚(幸福・豊かさ)
古くから、金魚は様々な国で富と幸福をもたらしてくれるという言い伝えがあり、とても縁起の良いモノとされています。
また、金魚の色にも意味があるそうで、赤い金魚は「幸福を呼び込む」、黒い金魚は「邪気を吸い込む」といわれています。夏の涼やかさを連想させる柄でもあるので、花火大会やお祭りにもぴったりですね。
紫陽花(和気藹々、家族団欒)
紫陽花の花には花びら(ガク)が寄り集まって1つの花として咲くことから、『和気あいあい』『家族団欒』などの仲の良さをイメージさせる意味を持ちます。
他にも、梅雨の時期に耐え忍び美しい花を咲かせることから『辛抱強い愛情』や、 フランスでは紫陽花開花シーズンの6~7月頃は穏やかで過ごしやすい季節となっている為、『元気な女性』などといった意味もあります。
浴衣の柄の中でも定番となっている紫陽花ですが、自分自身でどんな意味を持たせるのか考えて決めて、お出かけするのもお薦めです。
牡丹・芍薬・百合(幸福、富貴)
「立てば芍薬(シャクヤク)座れば牡丹(ボタン)歩く姿は百合の花」と言われるように、牡丹や芍薬や百合は美しい女性の象徴とされてきました。
牡丹は、花が落ちる様子から縁起が良くないともされますが、柄には反対の意味があります。
浴衣を着る人へ幸運をもたらしてくれるかもしれませんね。
蝶(笑顔、優美)
さなぎから蝶に羽化する様子から、復活、変化、不老不死の意味を持ちます。
「長」の音から、「長寿」などの意味もあります。また、恋愛面では「ずっと続く」という願いが込められている柄でもあるらしく、彼との浴衣デートの際に選んでみるのはどうでしょうか。
菖蒲(必勝、礼儀正しい、魔除け)
菖蒲は「しょうぶ」と読む音から、勝負強さや礼儀正しさ(尚武)を意味するとされています。
5月の節句に名残が残るように、昔から菖蒲には魔除けの効力があると信じられており格式の高い催物でも使用されていました。現代でも、成人式などの振袖の柄にも用いられています。
桜(始まり、豊かさ)
春の芽吹きを連想させることから、これから新しいことが始まることをイメージさせる縁起の良い花です。着物や浴衣では定番中の定番桜ですが、春の花を夏の浴衣に?と違和感を持たれる方もいらっしゃりますよね。
しかし、桜柄は国を象徴する花であり、1年を通して人気のある柄なので季節問わず着用しても問題ない柄なのです。
浴衣の可愛らしさを引き立ててみる桜柄を選んでみてはいかがでしょうか。
梅(忍耐力、繁栄、澄んだ心)
忍耐力、繁栄、澄んだ心という意味を持ちます。
寒く厳しい冬を耐え忍び、春一番に花をつける様子から、「忍耐力」の象徴とされています。また、梅には「澄んだ心」という花言葉もあります。
強く美しい女性を連想させるような浴衣の柄を今年は選んでみてはどうでしょうか。
朝顔(固い絆、愛情)
朝顔は朝に咲いて昼にはしぼんでしまう短命な花であることから、「はかない恋」という花言葉を持ちますが、支柱にしっかりとツルを絡ませることから、「固い絆」、そして「愛情」といった意味も込められています。
七夕の頃に咲く朝顔は、1年に1度、オリヒメとヒコボシが出会えたことを祝う縁起の良い花とも言われていますよ。メンズ浴衣にもよく使われる柄です。特別な人とのお出かけは、朝顔柄のペアルック浴衣で出かけるのもいいですね。
向日葵(あこがれ、熱愛、情熱)
あこがれ、熱愛、情熱の意味を持つ柄です。
諸説ありますが、ひまわりの「憧れ」という花言葉は、ひまわりは常に太陽が出ている方向に向きを変えて咲くことが由来となり、「憧れ」なったと言われています。
それから、もっとも有名な「あなただけを見つめる」という意味もありますね。片思いしている人や憧れの人と出かける際に選んで、浴衣の柄でそっと想いを伝えてみてくださいね。
薔薇(愛、美、内気な恥ずかしさ)
薔薇の花言葉は「愛」「美」「内気な恥ずかしさ」「輝かしい」「愛嬌」「愛情」「新鮮」「愛情」「爽やか」「無邪気」「爽やか」など多くの意味がありますね。
「美しい花には棘がある」「一輪のバラ」なとよく言いますが、昔から女性の象徴として人気のある柄を浴衣でも楽しんでくださいね。
藤(いつまでも美しく、恋に酔う、ずっと離れない)
古来から日本では藤の花の紫は高貴な色とされており、女性を表す比喩として使われることも多くある花です。
藤柄の浴衣は大人っぽい雰囲気のものが多いので、特別感のある大人な女性の魅力を引き立てたい方にお勧めです。
菊(高貴、高尚、高潔)
菊は不老長寿の効用があるとされ、昔から縁起良い花とされてきました。
縁起が良いだけでなく、日本では天皇や皇室の紋章にも菊の花が使われるほどの由緒正しい花として扱われています。流行に左右されない、人気のある柄です。
まとめ
伝統的な古典柄から、モダンな柄まで浴衣には多くの柄があります。
その一つ一つにはしっかりと意味があり、これまでなんとなく選んでいた方は着るシーンに合わせて柄を変えてみるのも素敵ですね。
自分に似合う浴衣の柄を選んだり、柄の意味にふさわしい自分になりたいなど、浴衣の選び方も変わって今までより一層浴衣を着るのも楽しくなるのではないでしょうか。
是非、今年は浴衣で素敵な夏をお過ごしください。